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もうすぐ年度が変わる。改めて私たちの仕事を振り返ろう。(会報3月号より)

 2021年も3ヶ月たった。この会報「草の実」1月号には、2021年はコロナウイルスの感染も収まり今までの暮らしに戻れそうだと書いた。みんなにあいたい!プールの入りたい!カラオケにいきたい!レストランで美味しい食事をしたい!映画や遊園地にもいたい!今まで1年間、がんばってきた。みんながんばってきた。すごいことだと思う!でも、そう簡単には終わらないようだ。まだまだ感染予防をしなければならない。手洗い、うがい、消毒、マスク、しばらく気を抜かないで続けよう。マスクをつけなくてもよくなったら、大きな声で話したり、笑ったりができるようになったら、好きな人のすぐそばにいられるようになったら、玄関に消毒スプレーを置かなくてもよくなったら、まずはレストランや居酒屋にいっておいしい料理やお酒を楽しもう!プールや体力づくりで思いっきり汗をかきたい!旅行は二泊くらいしたい!コンサートやスポーツ観戦も!その時までもうしばらくがんばろう!
 草の実会も今年で21年目、その前の草の実共働サービスの時から数えると37年になる。ふり返ると、あっという間だった。いろんなできごとがあったし、人との出会いも別れもたくさんあったが、それでもあっという間だったと思う。無認可の個人運営の作業所から社会福祉法人へ、小規模作業所から措置制度下での通所授産施設をへて自立支援法(現障害者総合支援法)での障害福祉サービス事業所として今がある。
 利用者数人、スタッフも数人のささやかな作業所から今では利用者二百人スタッフも百人になった。やっていることも日中事業が五か所、グループホームが七か所、そしてヘルパー派遣の事業と就職支援の事業と増えた。
 37年前、入所施設で働いていた草の実会の前理事長宇井文雄は障害者が入所施設に集められて生活していることに疑問を感じ草の実共働サービスを作った。同じ人として共に働いて共に生きていこうと。でもその後すこしずつ人が増え、いろんな人が利用するようになると少ないスタッフだけではやりくりがむずかしくなり、社会福祉法人を作り税金による運営の草の実会となった。
 それから20年、本当にこれでよかったのか迷うことがある。
 法人化をせず身の丈にあった活動で良かったのではないか、社会福祉法人になって福祉制度や福祉事業の改善に取り組むことを忘れてしまったのではないか、と。
 法人化を目指していたころ、入所施設で働いた経験のある林和幸は「施設は必ず堕落する」と言っていた。だから気を引き締めなければと言いたかったのだろうが、入所施設の経験のない私はそんなことはない、堕落するのは人の問題だ、と思いっきり反発したことがある。いろいろな法人の不祥事を伝え聞くたびにこのことを思い出す。今の草の実会を林が見たらなんというだろうか(林は法人認可前に事故で亡くなった)。
 
 20年たった今、新型コロナによる非常事態の中でもみんなは元気にかよってきている。幸い感染した人は利用者はじめ草の実会の関係者にはまだ一人もいない。元気にかよってきて楽しく過ごしている。みんなが好きなカラオケに行けないので、フンパツしてWi-Fi経由で新曲も更新できるカラオケセットを購入した。広い食堂ミツにならず毎日楽しんでいるようだ。この20年でみんなが楽しく過ごす場にすることはできたようだ。20年の成果はこれ!当たり前のことだろうと言われそうだがそれでも20年の成果として自慢したい。そしてもう一つ、この20年で昼間は一度も玄関の鍵を閉めたことがないことも自慢したい。
 
 もう一方で私たちの理念にある「・・・だれもがすみやすい社会の実現に寄与する・・・」ことにどれだけせまれたのか。
 福祉施設での虐待がなくならない。北海道でもトイレで子供を産み窒息死させた事件が起きた。女性と付き合っていた元施設職員は責任を問われない。
 この先も忘れてはならないやまゆり園事件、植松死刑囚がなぜ犯行を決意したのかその真相を明らかにしないまま死刑判決が降りた。理事長ほか責任ある人たちが辞めたようだがやまゆり園関係者は誰もいまだに何も語らない。
 1月号にも書いたが滋賀県の社会福祉法人の理事長が女性職員に長年にわたりセクハラ、パワハラをし告発された。福祉事業に不適格な人物が長年に渡り法人の重要な役職に就き、しかも厚労省の福祉施策を協議する立場にもついていた。この国の福祉の偽善的側面を露わにした(この国の福祉は嘘っぱちだということ)。
 この20年で福祉制度は見違えるように充実した。福祉にかける予算は年々増えている。社会のバリアフリー化が進み、街中で車イスに載っている人をよく見かけるようになった。当事者の人権意識も高まっている。とは言え、障害者への差別や偏見は社会の隅々にまで染み渡っているように感じる。植松死刑囚のように障害者を社会のお荷物と考える人は少なくないと感じる。それは、障害者だけでなく外国人や高齢者、ホームレスや引きこもりの人たちへもつながるものがあるように感じる。
 人として「だれもが住みやすい社会」実現こそ草の実会の一番目指すところであることを草の実会を利用している人たち、ここで働いている人たちと共有したい。
 
 もうすぐ年度が変わる。2021年度、改めて私たちの私たちの“仕事”を振り返ろう。

理事長 手塚玄
社会福祉法人草の実会
〒062-0934
北海道札幌市豊平区平岸四条
17丁目6-6
TEL:011-817-9080
FAX:011-817-9899
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