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社会福祉法人草の実会
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津久井やまゆり園事件

 

草の実会会報『草の実』2017年1月号巻頭

草の実会会報『草の実』2017年1月号巻頭
 
新年、明けましておめでとうございます。そして 津久井やまゆり園事件について
 
   昨年の夏、信じられない事件が起こった。 山里の施設で深夜、ぐっすり寝ている人が次々と刺し殺されるという惨劇。19人が死亡し、負傷者は27人に。その施設の全員を殺すために侵入し凶器を振るった。
  今まで経験したことのないショックを受けた。
  大勢の無抵抗の障がい者が殺されたことに。
  障がい者は生きている価値がない、という考えだったことに。
  犯人がその施設の元職員だったことに。
  起こるはずがなく、想像するはずのないことが起こった。
  この事件の直後、障がい者団体等が怒りの声明を出した。亡くなった人たちへの哀悼の意を表した。再発防止を誓った。
  私たち草の実会は、発言を控えてきた。事件の実態が見えないこと、それよりも何をどう整理していったらいいのか見えなかったから。
  事件から5ヶ月が経った。再発防止対策本部や第三者委員会などが、検討・検証の結果を報告している。警戒態勢に不備が、措置入院解除後のフォローが無かった、情報共有が不十分だった、などなど。防犯対策を改善することで、措置入院制度を改善することが再発防止であるとしか考えていない。
  とても違和感がある。今回の事件の核心はそこにはない。
犠牲になった人たちの姿が見えてこない。障がい当事者が何を感じ何を考えているのか誰も取材・報道しない。どうして9人の職員は何もできなかったのか。睡眠剤で眠らされる利用者の人権は守られていたのか。そもそも大勢を集めた『収容施設』だから起こった事件ではないのか。障がい者を支援すべき施設で障がい者の存在それ自体を否定する考えがどうして生まれたのか、そしてどうして公然と予告して実行できたのか。
  事件の直後、犯人の行動を容認する意見がネット上にあふれ、この国の未熟さとおぞましさをまた露わにした。“福祉”の美名とは裏腹に障がい者をはじめ自分とは違う人を区別し、差別し、排除し、殺してしまう社会であることがまた明らかになった。
  そして、その構造は福祉の中にも間違いなくあることも明らかになった。未だに続く虐待、差別、守られない人権、…。社会にある障がい者に対する偏見と差別、あるいは憐れみと同情。これらと闘い、誰もが対等であり自分の人生を自分で生きる権利があること、そんな社会を実現していくこと抜きに福祉があり得ないことも明らかにした。そこに行かずには、プライバシーを理由に名前の公表をためらう家族の心情を解消することもできない。
  昨年11月に東京で『津久井やまゆり園事件を考える全国集会』があった。草の実会も呼びかけ人に加わり参加した。全国の大勢の方と意見を交わし、だれもが安心して生きていける社会の実現に向かいたい。この2月には大阪で集会がある。
  理念を語るだけでなく、その実現のための一歩を踏み出す!
  2017年が明けました!みなさま、よろしくお願いします!
                                                                                                                     2017年1月
                                            統括責任者   手塚  玄
 
   
 
 

11月26日「津久井やまゆり園事件を考える全国集会」会場にて

11月26日「津久井やまゆり園事件を考える全国集会」会場にて
 
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