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2021年、コロナを経験した今、目を外に向けよう!

2021年、コロナを経験した今、目を外に向けよう!
 
『草の実 会報』2021年1月号より抜粋
 昨年11月に滋賀県にある社会福祉法人グローの理事長北岡賢剛氏(東京の社会福祉法人愛成会の理事でもあった)が、セクハラとパワハラで二人の女性から告発された。突発的な出来事ではなく、10年以上にわたって何度も繰り返されていたという。被害を訴えても真剣に受け止めてくれる上司はいなかった。精神的に追い詰められながらも二人は勇気を振り絞って告発に踏み切った。被害を受けたのは二人だけではなくまだ何人もいた。地位と権力を利用したハラスメントは、北岡氏当人にどれほどの功績があろうとも許されるものではない。
 社会福祉法人グローはアール・ブリュット(生の芸術、アウトサイダーアート)に取り組んでいる先進的な法人。以前そのスタッフが草の実会の利用者の作品のリスト作りのため札幌に来たことがあった。いろいろ案内したがとても熱心な人だった。
 社会福祉法人愛成会は古くからの法人で、草の実会がまだ無認可の時、愛成学園(愛成会が運営する女性の入所施設)は、利用者を虐待した職員の解雇が不当だと告発され、今は亡き副島弁護士が「解雇は正当であり虐待を見逃していた施設も改革する必要がある」と虐待した職員の告発を受けて立ち、草の実会にもその裁判支援の要請が来たことがあった。裁判は和解が成立したが愛成会は、理事長はじめ全理事を解任し、白梅学園大学の堀江まゆみさんを新理事長に「虐待をしないそして利用者を第一にする法人、施設」に改革されたはずだが、それから20年を経てその時の決意はどこへいったのだろう。
 新年の巻頭言でこんなことを書かねばならないことがとても残念だ。昨年は新型コロナウイルスによる感染症が広まり社会全体(いや世界中)が緊張状態にあった。感染の拡大防止のためほぼ全ての予定(草の実会の2020年度の事業計画もしかり)の変更を余儀なくされた。外出や交流、体験、あらゆる社会的活動が制限され取りやめた。人々は、それでもより良い暮らしをしていくために感染を恐れて閉じこもるのではなく、想像力と知恵と工夫で粘り強く生きている。そして今年にはワクチンが完成する、感染が収束に向かう、それに伴って社会活動も再開する(会えなかった人にも会える)、と期待を胸にこの新年を迎えた。だから今年は昨年やれなかったことをじっくり味わうようにやろう、自分にもみんなにも頑張ったご褒美に思い切ったことをしよう、そして今年は、きっと良いことがあるはずと希望を持って踏み出そうと思っている人も多いだろう。また、このコロナ禍で社会の生きていくための仕組みが不十分なことを実感し、そのことに本気で向き合おうと心に誓った人もいることと思う。そんな時にこんなことを書かねばならないとは。新年にあたっての希望を、といってもこのことは書かないわけにはいかない。
 こんなことは前にも語った。4年前のやまゆり園事件が起きた時も。あの事件を自分事と受け止め福祉事業の中で二度と同じような事件を起こさないようにしなければ、この国の福祉に未来はない、と。
 今回のことは、福祉事業の中での一職員が起こしたことではなく、福祉事業者自身が起こした事件。そしてそれを見過ごしてきた事業に責任のある人たち。告発された本人だけの問題ではなく、それを許した理事会、職員(主に上層部)、社会福祉法人愛成会の責任者たち、さらには社会福祉事業の発展のためとして彼を持ち上げて活用してきた業界団体の関係者、行政関係者、政府関係者にも責任があると思う。北岡氏と仕事で関わり懇談会、懇親会を共にしたことがある人物はどんなやりとりをしたのか、どんなことを見聞きしたのか自省と共に全て明らかにし改めてほしい。
 この事件は、社会福祉法人を中心とするこの国の福祉事業の中にセクハラについての無理解と慢心が根深くはびこっていることを暴露した。社会福祉法人の経営者の中に福祉に貢献しているのだから私の指示命令を聞くべきとパワハラを特権と勘違いしている人物がいることが明らかになった。北岡氏が告発されたことを知って驚いている人と、「やっぱり…」と他山の石にしなければと密かに心した人がいるだろう。この国の社会福祉法人はどうなっているのだろう。告発されたグローだけなのか?あの愛成会がこんな体たらくになるとは。全国の社会福祉法人に蔓延しているのではないのか、やっぱり社会福祉法人は心底腐ってしまったのではないか。
 同じ社会福祉法人という立場で当事者たちと向き合っているものとしてとても人ごととは思えない。伊藤詩織さんの時と同様、今回のお二人の勇気ある行動がこの国の福祉を変えていく希望となる。福祉を語りながら人権侵害をすることを決して許さない態度が求められている。それはこの業界にいる新人も古株も全ての人の義務だと思う。
 北岡賢剛は糸賀一雄氏の実践に感銘してこの道に入ったらしいが、彼はどこを見ていたのだろう?福祉を仕事とする私たちは、どこを見ていなければならないのか?自分の家族、仕事で向き合う人たち、隣の人、道ゆく人、この国で暮らす人たち、そしてこの地球で暮らす全ての人たちのことも忘れないようにしたい。
 昨年のコロナ感染の拡大を経験し、自分をコントロールすることの大切さを知った。そして自分を大切にすることと同じように人を大切にしなければならないことを身にしみて知った。人を大切にすることこそが自分を大切にすることになるのだと思う。
 だから自分の外に目を向け、周りをよく知り、やるべきことを見極めていきたい。
2021年、良い年となりますように!
 
                                                                                                                                              理事長   手塚  玄
 
 

2020年 夏季休業のお知らせ

2020年 夏季休業のお知らせ
 
2020年8月14日(金)は、夏季休業のため草の実会・日中支援の各事業所はお休みさせていただきます。
 

2020年度 夏祭り中止のお知らせ

2020年度 夏祭り中止のお知らせ
 
 
8月7日、8月8日に予定しておりました2020年度「旭ヶ丘・草の実夏祭り」は、新型コロナウィルス流行下の影響を鑑みて、協議の結果中止とさせていただきました。
 

ボランティア募集のお知らせ

ボランティア募集のお知らせ
 

2020年度の草の実会

2020年度の草の実会
 
 毎年のことですが2020年度の草の実会の基本計画を作成しました。
 新型コロナウィルスの感染が未だおさまらず、この先の見通しがつかず事業計画通りの活動がどこまでできるのか不確定ではありますが、私たちの2020年度の基本姿勢として掲載します。
 
 草の実会が設立されて20年がたった。この20年は大きく変化し続けた。設立当初は行政が決定する措置制度だったが、その後、基礎構造改革が語られ、2006年度からは福祉の主体は、当事者であるという支援費制度に変わった。施される福祉から福祉サービスは障害者の権利であり、当事者が福祉事業者と契約し、サービスを購入するという新しい仕組みになった。現在の障害福祉サービスの始まりである。しかし、行政から措置という仕組みの反省の弁はいまだにない。障害があっても人として、その基本的な人権を保障するものとしての制度改革ではなく、この制度変更を通して、民間の力も活用し、安上がりな福祉を目指そうとしたように思う。しかし、一度動いた権利としての福祉サービスは建前方向に大きく舵を切り、社会の成熟もあり(?)、障害当事者の社会生活の保障が年々進んだ。当事者運動としてのピープルファーストも追い風になった。
 措置制度であろうが、支援費制度に変わろうが、草の実会のすることは変わらないとの姿勢で、草の実会の各事業を運営していたが、障害福祉サービス事業者の増加に伴い、制度運用も厳格になる中で、草の実会の事業所運営も制度にのっとった運営をせざるを得なくなり、草の実会の運営理念が、時代にそぐわなくなっている面も感じられる。
 一方、社会の変化も大きかった。2011年の東日本大震災と福島原発事故、政権の交代、新型インフルエンザ禍、熊本地震、ヘイトスピーチと人種差別、戦争法、消費税の度重なる増税・・・。さらには、政府による度重なる公文書改ざん、破棄、隠蔽、沖縄の基地建設の強行。立法府・行政府による不祥事は挙げればきりがない。
 福祉に限って言えば、やまゆり園殺人事件が私たちの存在意義について大きな問いを投げかけた。「人を殺す福祉とは何なのか」「福祉施策を推し進めることが、人として生きることのプラスになるのか」「福祉の充実が社会の成熟か」。3月に結審した裁判でも真相は明らかにされなかった。何もまだ終わっていない。引き続きこの事件をめぐる課題に注目し取り組む。福祉からそれを否定する思想が生まれないように、そして、優生思想が未だこの国を深く蝕んでいることにも注目する。私たちは、福祉の中でのこれらの課題に注目していればいいのではない。この国の社会を覆う差別に目を向けることこそが、社会福祉法人がとるべき姿勢である。在日外国人に対する排外主義的差別言動に反対していく。また、障害を持つ人への教育の権利を認めない教育行政に対しても法人として注目していく。
 2020年の草の実会、設立から20年がたった草の実会、事業規模は格段に大きくなった。利用者、職員も大幅に増えた(亡くなった方、草の実会の利用をやめた方も少なからずいるが、相変わらずいろいろな困難を抱える方の貴重な受け入れ先になっている。無認可時代を知っている職員は、ごく少なくなったが、新たに加わってくれる方も続いている)。草の実会を始めたころ、利用者100人、グループホーム10か所を事業の上限と考えていた。この上限はとっくに超えてしまっている。今後、これ以上の規模の拡大は想定しない。今いる利用者のため、職員、家族、そして応援してくれる方々とよりよい支援を実現するとともに、草の実会の理念にある「・・だれもが住みやすい社会の実現・・」を見据えた法人を目指したい。
最近、SDGs(エスディージーズ)のことがよく話題になる。国連が提唱する「だれも取り残されない持続可能な開発目標」と。世界は、間違いなくこの方向に向かっている。この国でも私たちの周りでも、このことを実現する活動こそが福祉を含めたすべての課題だと思う。尊敬できる指導者を生み出そう。雪解け跡から何も出てこない街を目指そう。
                                                                                                                             理事長  手塚 玄
<<社会福祉法人草の実会>> 〒062-0934 北海道札幌市豊平区平岸四条17丁目6-6 TEL:011-817-9080 FAX:011-817-9899